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苦手な映画

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今1番の話題作で問題作、
『先生を流産させる会』 を観た in 渋谷。

はい、いつも通りネタばれ全開で書きますので、
観てない方は読まないで下さい。
あくまで自分を追い込むためだけに書いているのであって。。。






タイトルだけで内容は完全に分かるけど、
先生を流産させる女子中学生の話しです。
実話を元にしている映画です。

元々、予告編を観て音楽のカッコ良さに惹かれ観ようと思った作品だけに、
断然、音楽が良かった。
でもしかし、映画はとても苦手な映画だった。

思えばここまで苦手な作品もあまりなく、
ちょっと何が何故苦手だったのか考えてみようと思う。


○タイトルインまで
大体好きな映画か苦手な映画かは、タイトルインまで、
または開始15分くらいで分かるもんだ。
『ロゼッタ』の場合は、ラストシーンまであまり好きではなかったけど、
ラストで好きになった、そんな例外的な映画もあるけど、
大体開始15分って、とても大事だと思う。
要はツカミですね。

で『先生を流産させる会』の場合は、
弱ったウサギを滑り台の上から投げ落とすってシーンになるわけだけど、
書いててもその残酷性や凶暴性はすごく表れてて、
掴みとしては最高だ。

でも、この映画は曖昧な撮り方をしていた。
ウサギに入り投げ落とすまでを1カットで描いていた。
これは監督が言ったんでしょう、「ここは1カットで行こう」と。
それはそれで良いと思うけど、
1カットで撮ったせいで、ウサギを掴むアップを削ったせいで、
正直何を滑り台の上から落としたのか曖昧になった。
何となくウサギだろうと想像はつくけど、
落ちる音がとてもウサギの音には聞こえなくて、骨?かと思った。
1カットで描くなら、例えばもっと掴みにくそうな演技をしたり、
落ちた瞬間ウサギの鳴き声でも入れてくれれば、
観客全員理解出来るのに。
曖昧なオープニングを曖昧なまま理解したまま、
タイトルインにいく。


○移動車の雑さ
移動撮影をたくさん使っているけど、
全てがガタガタと雑でNGレベル、とても見苦しかった。
テーマ的に見苦しい映画だからこそ、あえて見苦しく撮ったのかもしれない。
ならば、手持ちで撮れば良いのにと思ってしまった。
あと、あの移動撮影でOKを出してしまう環境、
「時間や機材が足りない」状況だったのかもしれない。


○役者の描き方
主演の女子中学生。
口数少なく影があり、映画では悪役だけれど、
目だけを観ればすごく優しい子だと分かる。
目の演技が全く出来ていないので、ただト書きにある行動をして、
脚本にある過激なセリフを喋っているだけで、演技を強要されている感じ。
目だけは、役に合わず素のままで、ちゃんと素直にリアクションしてた。

ターゲットとなる先生。
シーンごとに感情がバラバラで、理解できなかった。
セリフのボリュームの大小が多い。
同僚とのやり取り、生徒とのやり取り全て、全く先生に見えなかった。
とにかく、力み過ぎていた印象。
理科の授業のシーンでは、
黒板に書いてある文字がとても先生が書いたものとは思えず、
また保護者との電話シーンでは、動き全てが不自然で、
先生ぽくなさに拍車をかける。

「先生を流産させる会」のメンバー。
キャラ設定が全くされていないので、深みが全くなく、ただそこにいるだけ。
いてもいなくても、主人公や先生にとってはどうでも良い空気以下の存在。
あとやっぱり、目が優しい。
とても良い子達なのに、無理に演じさせられているという印象しか受けなかった。
ホント、セリフ以外の演技をしていなかった。

立ち位置が不自然。
監督の言う通りの立ち位置に立ち、セリフを言っている印象がすごくあり、
違和感しかしなかった。
途中モンスターペアレンツの母親が学校へ押しかけて来るシーン。
先生は、「廊下で話しましょう」と言う。
母親の怒りはMAXである。
なのに、先生の言葉に従い、ちゃんと廊下に行く。
おかしいと思う。普通、こんなに怒っている人が廊下になんて行かないよ。
また途中、生徒がイスのネジを緩め、
イスに座った先生を転ばせるシーン。
普通に考えて先生は何が起こったか理解できなくなると思う。
でも先生は、転んで真っ先にネジを掴み生徒の仕業と断定する。
おかしいと思う。
あの状況で、細工されたネジ→生徒の仕業→怒りへと、
そんな早い思考の回転が出来るものなのか?
ホント全てにおいて、「段取り通りです」という感じ。

言って見れば、学芸会の演劇のよう。
誰1人、自由に演じれていなかった印象。
役になりきれていなかった印象。
現場で、役者は何も言わなかったのか?
行ったけど監督に却下されたのか?
多分何も言わなかったんだろう。
そんなことばかり考えてしまった。
よって、誰にも感情移入が出来なかった。


○演出の不思議
理科の授業シーン。
黒板には疑問文。それぞれの机に実験器具が置かれてはいるが、何もしていない生徒。
先生も、前をただ見ているだけ。
このシーンは何のシーンだろう。
理科の授業のシーンだ。
なのに、だれも授業をしていない。ただ、そこにいるだけ。
誰1人、演技をしていなかった。監督の演出がなかったのか?
オンリーを録っている現場を映しているような、そんな雰囲気。
ここは脚本的には、「薬品を盗む」シーン。
監督的にはそこだけちゃんと描ければOKなのかもしれない。
でも、「理科の授業中に薬品を盗む」という演出をすれば、
もっとハラハラドキドキの展開に出来たのに。。と思う。

終盤、「絶対にそこは真っ先に救急車を呼ぶべきっ!」と思う、修羅場のシーンがある。
でも誰も呼ばない。先生は、何もしない。
「呼べば後々の展開で支障をきたすから」という、脚本家目線での考えは分かるのだけれど、
人工呼吸して完全復活という展開は、もはやコメディだった。


○主人公は誰なのか
「流産される会」のリーダー、先生、
どちらも人物描写が浅いので、感情移入し切れない。
リーダーの家庭環境の説明はないので謎の少女のまま、
先生も先生で、子供に対する愛情も、結婚生活も描かれないので、
人物を追って観る映画ではなくて、展開を見せられただけの映画だった気がする。
先生がさ、赤ちゃんの名前を付けてて、名前で呼んだりしてれば、
たったそれだけあれば十分感情移入は出来たのに。。と思う。


○効果音が誇張しすぎ
ウサギの落下音もそう、ビンタの音はキックの音、
全ての効果音が嘘っぽく、誇張され過ぎてて、辛かった。



そういえば、この映画に似た映画を観たことがあった。
『わたしの赤ちゃん』という、映画美学校の作品。
そして「先生を流産させる会」の監督も、美学校出身。
何か色んな謎が解けた気がした。
とてもとても、美学校っぽい作品だったから。
この作品のスタッフも美学校の人じゃないだろうか。
「力み過ぎる演技・効果音の誇張・シーンのブツ切り感、監督の意図に反し笑われてしまう」、
これらがまさに美学校っぽさの気がする。
そしてこれらの映画が、個人的にとても苦手だと分かった。

誰もが興味を惹かれてしまうタイトルも、題材も良いだけに、
もう1度、別の誰かが撮って欲しい作品。
別の役者で120分くらいで。

とはいえ、この映画は連日満席で大ヒットしているので、大成功の映画。
だからホントに、勿体ないなぁと思ってしまう。

そして、この映画を褒めている人もいるという事実。
色々なレビューを観て、
こんなにも自分と開きがある映画も珍しいなと思った。

全く関係ないけど、
カンヌ獲ったしハネケ監督作品も観とかなきゃと思い、
この日の午前中『ファニー・ゲーム』を観た。
監督と観客が殴り合うような映画で、後味悪過ぎる作品。
『先生を流産させる会』との2本立ては、
映画に何を求めてるんだと思うほどの攻めの姿勢。
ただ『先生を流産させる会』は別の意味で後味悪く、
受ける印象は全く違ったのでした。
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プロフィール

耳井啓明

Author:耳井啓明
(Hiroaki Mimii)
1984年鳥取県生まれ。
名古屋ビジュアルアーツにて
映画制作を学ぶ。
2004年東京に上京し
映画団体SAIROを結成。
映画・小説・写真と、
幅広く活動中。

詳しいプロフィール、
WORKSは、
下のカテゴリから。

SAIROのHPにて
月1作品配信中。

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