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本を読む

最初は冗談だと思っていた。
だから冗談を合わせていた。

「知り合いの役者が役者を辞め、小説家を目指している」

家になるべく篭り、
ひたすらに本を読み耽り、
映画祭をネタにして皮肉った心理合戦の小説を構想している。らしい。

この人は、冗談だと思わせ人を油断させるのが得意だ。
でも、口では嘘を吐いても、体は本音。

最初は誰もが冗談だと思っていたけれど、
最近のこの人の行動はとても冗談だと思えず、
故に本気なのだと思い始めた。

「彼は、小説家を目指している」

冗談を見破って、でも彼の心の熱には見て見ぬふりをして、
未だに「あはは」と冗談を合わせてはいるけれど、
僕は、冷ややかにささやかに、応援をしている。



さて、固く書こうと意識したあまり、
何の話だかさっぱり分からなくなってしまったので、
その意識捨てて書きます。とくと書きます。

本をたくさん読む時と、
全く読まない時があるんです。

最近はもっぱら、読む時です。
「2日ください、十分です」の時です。

というか前から思ってたんですが、
「十分」ってさ、「じゅっぷん」と読み間違えちゃうよ。
だからもう「充分」に統一して欲しいなー、などは置いといて、

昔から、好きな作家さんを見つけては過去作を読み返す、
という癖があって、
金城一紀、綿矢りさ、本谷有希子、辻村深月、湊かなえ、長嶋有、エト・セトラ。

一通り読みました。
で結局、その作家さんの最初に読んだ本が1番おもしろい、
というのに気づきました。

辻村深月なら「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」
長嶋有なら「猛スピードで母は」
綿矢りさなら「夢を与える」

人が何と言っても、
その作家さんの新作が出ても、
最初に読んだもの以上だとは思えなくて、

結局、
「もう読まなくていいんじゃないか」とも思った。
1冊で十分ではないのかと。

ところで、
本好きな人はどの程度セリフ以外の部分、
ト書きって言うのでしょうか、
そこをどの程度読んでいるのか気になります。

正直、さほど注意深く読んでいる人は少ないんじゃないかと睨んでます。
多分、流し読み程度ではないかと。
頭には全然入っていないのではないかと。
そして「俺って私って、本読むスピード上がったな」と、
「趣味を読書にしてしまえるスマートな位置まで来たな」と、
勘違いしているんではないかと。

もちろん登場人物の行動や心理描写はちゃんと読むものと思うけど、
それ以外の部分ですよ、
抽象的な比喩的な文章、
これのことです。
「春」をいかにもな表現で長々書いている部分。
絶対物語の確信ではない部分。
読んでも読まなくても良いなと思える部分。
作家の作家による作家の力を見せ付ける部分のことです。

そうそう辻村深月の「ぼくのメジャースプーン」を読んで思ったのが、
これ中盤読まなくても、全然物語に付いていけるなと思いました。
ほぼ会話劇だから、少なくともセリフ部分だけ読めば全然分かるなと思った。
でも辻村さんのことだから、絶対つまらないと思わせといて
伏線張っているんだろうと勘違いして一応読んだけど、
全然おもしろくなくてー。

そんなことを思っていた矢先、
久々に読んでみようと、
本谷有希子の「あの子の考えることは変」を読んで、
衝撃を受けました。
なんだこれはと。

セリフはもちろんのこと、
ト書きさえもおもしろい!って。
なんだこれはと。
やわらかい表現でスッと入ってくるんです。
なんだこれはと。

それで結局のところ、
小説なんだから、
ト書きがおもしろいものがおもしろいと思うようになりました。
ストーリーとかではなくて、ト書きだけおもしろくったって全然大丈夫。
むしろト書きが1番大事!って。

僕が小説に求めるものはソコだと思いました。

「ト書きをいかにおもしろおかしく表現しているか」

表現力。
突き詰めてしまえば松尾スズキではないかと思うのです。

突き詰めてしまえば1ぺージ目で判断できちゃうなと思うのです。

あなたは、小説に何を求めているのさ?
ちょっと教えてみんさいな?
たくさん読んで、いるのでしょう?


みたいな内容を必死に噛み砕いて、
小説家を目指しているその人にメールした。

返信は、未だ、なく。

彼はバレぬよう、
冗談を冗談で必死に突き通そうとしているので、
結局その冗談に乗ってあげているところです。

「小説家を目指している」と言ってしまえば楽なのにと思っていたけれど、
冗談のままが楽なようです。

冗談のまま1冊書き上げたら、
まんまと騙されたフリをしてあげようと思います。

「ト書き、おもしろいじゃん」って言ってあげようと思います。
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プロフィール

耳井啓明

Author:耳井啓明
(Hiroaki Mimii)
1984年鳥取県生まれ。
名古屋ビジュアルアーツにて
映画制作を学ぶ。
2004年東京に上京し
映画団体SAIROを結成。
映画・小説・写真と、
幅広く活動中。

詳しいプロフィール、
WORKSは、
下のカテゴリから。

SAIROのHPにて
月1作品配信中。

SAIRO公式HP
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