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2012-05

映画太郎に行ってきた

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何だかんだで刺激をもらえる 映画太郎 の上映、最終日に行って来たin新宿テアトル。
誰の為でもなくて、ちょっと自分の為に感想でもつらつら書いてみようと思う。


『制服哲学』 勝又悠監督

予告編は コチラ 。

3月31日、女子高生が制服を脱ぐまでの話し。

タイトルもあらすじもおもしろそう。
とにかく、これでもかと脚・脚・脚押しの映像で、JK好きは満足できる動画だと思う。
予告編にもある水たまりカットが1番良かった。

主演の清瀬やえこさんは、SAIROの『familiar eyes』で監禁されたり、
小屋から逃げ出して河原を逃げ回ったりしてたけど、今回は孤独な女子高生役で、
声も良いけど、黙ってても画になる女優。
その表情に、何を仕出かすか分からない危うさがあったり、微妙にエロかったり、
今回の役にピッタリ合ってる。

物語は淡々とただ歩いたり、屋上で寝転んでみたり、
町をブラブラしてみたりを脚が主人公ですと言わんばかりに描いていき、
ラスト海の前で制服脱いで終わり。

正直さっぱり分からなかった。
この女子高生がそもそもどれだけ制服に愛着があるのか分かれば、
まだ感情移入できたかもしれないけど、基本的に脚とスカートしか映っていないので、
襟や袖ボタンやソックタッチとか、そういう他の制服パーツも観たかったなー、と。
前半、取れかけたローファーの底をボンドでくっつけるシーンがあるにはあるけど、
それならば、徐々に制服が壊れていって自然と体から脱皮していくような、
時間の流れには逆らえないでも逆らいたい女の子の話しになればおもしろいのに、と思ったり。
タイトルは『ノット・ダッピ』でどうだろう?
多分ダメだろう。

勝又監督作品は初めて観たのだけれど、
何となく岩井俊二っぽいというか、女性っぽい映像を撮る人だと思ってた。
でもこれはものすごく男目線な作品で驚いた。
途中この女子高生は、ゲームセンターやバッティングセンターなど、
男が行きそうなとこに行くのだけれど、
多分女性監督が撮れば、熟れたトマトを壁に投げつけて、
トマトで汚れた手をぺロリと舐めたりするんだろうなと勝手に思う。
自分と戦って血を流す映画みたいになるんだと思う。
だから女の子の方が早く大人になるんです的な。

ラスト、制服を脱ぐ前に、
女子高生はiPhoneに何か宣言のような、決意のような言葉を吹き込む。動画で。
そこがすごく『私、脚本を読んでいます』的な喋り方だったのも、少し残念。
ああいうシーンは、頭で言うことを考えながら喋らないといけないシーンだと思う。
たどたどしくあってほしかった。

ただこれは、永遠に制服が似合ってしまいそうな清瀬さんだからこそ出来た役なので、
JK好きも清瀬やえこ好きも満足できる作品だったと思う。

そして女性の意見をものすごく聞きたい作品だった。
卒業式も終わった休みの日に、わざわざ家から制服着て出掛けてしまうような主人公だ、
夜中に車盗んで海にまで行っちゃうような主人公だ、
女性の方が共感出来るはず。




『ゆく人、くる人』 天野千尋監督

予告編は コチラ 。

死んでしまった20代の男女が、三途の川を渡る前日に集まって騒ぐ話し。

あらすじすごくおもしろそう。

何も知らされぬまま、公民館的な場所に集められた若者たち。
係員に『あなた達は死にましたので、明日川を渡るまでここで待機して下さい』と言われる。
戸惑う若者。逃げ出す者。死んだと信じない。
『あなたは最後の1日、どう過ごしますか?』という、『逝く人』のお話し。

とても雰囲気ある作品でおもしろかった。
SAIROの岩佐くんが出演しているのだけれど、
ちょっとどころか1番おいしい役だったので、
『嫌われてないよ、愛されてるよ監督に!』と思ったり。

ジブの上下移動を多用した映像は、
死んでる魂が漂っているみたいで良かった。
全編、浮遊感の手持ちでもアリだと思った。

録音がとても印象的だった。
基本的にワイヤレスの音のみで、しっかりとセリフが聞こえ、唾を飲み込む音まで聞こえる。
逆に言えばものすごく違和感のある録音なんだけど、
舞台は死後の世界だからそりゃそうだ、環境音なんて聞こえるはずがない。
車も人混みも、もしかしたら風だってないかもしれない。
あるのは死人だけだからっ!
そんな録音が、作品の雰囲気を、不気味さをより出してた。

群集劇なので、様々な人が様々なドラマを公民館みたいなところで繰り広げる。
(映画『カラフル』の前半で描かれていたような感じ)
でも何故か、観たいところは観せてくれない。
は・が・ゆ・い 構成。

(後に結婚するけど)別れ話しでケンカしているカップル。
偶然同級生の男に出会った女。
仕事を続けるサラリーマン。
これら4人は、物語の中で180度考え方が変わる。
でも、変わる瞬間を一切見せず、シーンが変わったら突然コロッと心変わりしている。
そのせいか、これだけ登場人物がいるのに、誰1人として感情移入が出来ないのが残念。
脚本段階で助監督やキャストの誰かが『ここ、何でこの人、心変わりしたんですか?』
『そこはちゃんと描いて深くしましょうよ!』と言うはずだから、
きっと多分意図的に心変わりを描いていないと思う。
もしくは編集段階で切ってしまったか。
そうすることによって、観客に何が伝わるのかは、分からなかった。
『死んでいるから、余計なことは考えず、急に心変わるんです』と言われたら、
妙に納得してしまうかもしれないけれど。。
死んでから心変わりするのは、人間っぽさが出て良いと思うんだけどな。

そんな中、唯一心変わりが描かれていたのが、
『係員になりたい』と係員に願い出るヤンキー女。
ラストにもこの女性は立派に係員となって出てくるので、
とても重要な役だろうと思うけど、
『そもそもスタッフとは何ぞや?』なので、こちらも良く分からず仕舞い。
若者たちをまとめるスタッフは3人いて、みんな死んでいるようだ。
だから多分、途中出てくる警備員も死んでるはず。
作品に出てくる全員死んでいるはず。
警備員は逃げ出した男を捕まえようと、応援を呼ぶ為に笛を吹いていたので、
作品には出てこないけど、この世界にはまだ誰かがたくさんいるんだと思う。
『じゃあ、三途の川を渡らず、スタッフや警備員となった時のメリットって何?』と思ったり。
そもそも警備員を登場させなくても、
あの役は係員役の誰かで補える役まわりだったように思う。
ただ逃げた男を捕まえるってだけだから。

この作品には約20人ほどの人物が出てくるのだけれど、みんな割りと良い人ばかり。
すんなりと『死』を受け入れるし、すんなりと仲良くなるし、
なんと最終的には赤の他人の結婚式を開き、祝い、歌い、踊る。
ホントに、1人も悪い人が出てこない。
死んでもなお我侭に、傲慢に、死んでいるのだからこそ
形振り構わず欲に走ったりする人ばかりだったら、
『死んでもやっぱり人間ってこうだよね』と、物悲しく納得できて、
より考えさせる映画になったんだろうと思う。
死んでもなお死ぬとか、そんな人がいても良かった。
あと、物語が落ちていかない。
『死んでるんだから元々落ちてるだよ』と言われればそれまでだけど、
唯一逃げ出したとび職の男だけが落ちてた。
この男みたいな葛藤を、あと数人観たかった。
サラリーマンとか、すごく色々描けそうだったんだけど。

さてSAIROの岩佐くんが、
手帳に何かを書き込んでいる単体のカットがあった。(ウエストショットくらいかな?)
後で聞いたところ、『日記を書いていた…』らしい。
セリフはなく単体のカットのみで、それを観客に伝える演技は難しい。
そもそも、いつの日の日記をあんな昼間に書くのかも怪しい。
だってあなた、死んでるし。
かと言って、日記のアップを入れたとしても伏線でも何でもないし、
岩佐という役柄に深みを与えると言っても微妙だし、
だとしたらあのカットは単に人物紹介だったのではないか、と思う。
でも人物紹介なら日記のアップはあっても良いと思う。
あった方がより紹介出来ると思う。
じゃあ何故入れなかったのか?
すごく綺麗な映像だったけど、情報が届かなくて残念だった。
『死んでる人のすることは摩訶不思議!!』と言われれば、
それはそれで納得してしまいそうだけど。。

そう考えると、死んでるけど生きてるみたいな人を表現する演技って難しい。
撮影前に『シックス・センス』を観たりするんだろうか?

そんなたくさんの役者陣の中で、三つ編みの女性と、
ケンカの仲裁に入ったメガネの男性が、特に良かった。

題材が魅力的な分、もったいないなぁと感じた映画だった。
ラストの別日の階段に出てくる登場人物含め。




と、
あれやこれや好き勝手書いたけど、
実際4時間くらいかかって書いたけど、
こうやって書くことで自分もすごく勉強になっているなぁと思う。
もっと色々観て色々好き勝手書いてみよう。



さて映画太郎はまだまだ続くようで、
今度は夏、六本木で開催。

『呼ばれたいな』と、常々思っている。
『呼ばれなくても行くんだろうな』とも思っている。

いや、でもやっぱり前者が強い。
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プロフィール

耳井啓明

Author:耳井啓明
(Hiroaki Mimii)
1984年鳥取県生まれ。
名古屋ビジュアルアーツにて
映画制作を学ぶ。
2004年東京に上京し
映画団体SAIROを結成。
映画・小説・写真と、
幅広く活動中。

詳しいプロフィール、
WORKSは、
下のカテゴリから。

SAIROのHPにて
月1作品配信中。

SAIRO公式HP
http://sairo.jp/

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